数日前に、
「一平のラーメンが食べたいね」
と母と話していて、
「今日行く?」
と母に言われたので支度をして、居間でニュース番組を見ていた父に、
「おっとうも行く?」
って聞いたら、父は返事をせずに吸っていたたばこを消して立ち上がった。
行くってことだ。
『一平』は近所にあるラーメン屋さんで、いつも込んでいる。
今日は珍しく行列がなくて、すぐに席に案内された。
ラッキー♪
でもすぐに次々とお客さんがやってきて、あっという間に行列ができた。
特製味噌チャーシュー、うまかったぁ。^^
母とふたりで出かける事はよくあるけれど、父も一緒に出かけるのは久し振りだ。
何年ぶりだろう、って感じ。
一緒にラーメンを食べに行ったって聞いたら、
数年前にお世話になっていた、心理セラピストのMさんはどんなに喜ぶだろう。。。
我が家は幸せなあったかい家庭とは程遠い家庭だった。
波乱万丈で、呪われてるんじゃないかって思うような悲惨な出来事が何度も起きた。
その元凶は父だと思っていた。
父と結婚したせいで、母の人生はめちゃくちゃになり、
父のせいで、私たち姉妹の人生はめちゃくちゃなんだと思っていた。
私は父が大嫌いだったし、父を激しく憎んでいた。
気が小さいくせにプライドだけは高く、めちゃくちゃ自分勝手で、
自分が正しいと勘違いしていて、人の話はいっさい聞かず、
自分の事は棚に上げて、周りを批判してばかり。
そして、都合が悪くなるといつもだんまり。
とんでもない嘘つきで、平気で人を騙し、
恥ずかしくてここに書けないような、ありえない事をやらかして家族を失望させた。
父親としても、夫としても、人間としても、最低最悪な人物。
そんな人を、嫌いにならずにいられますか?
憎まずにいられますか?
「とっととくたばれ!」
「死ねばいいのに!」
そんな言葉を父にぶつけた時、私の胸は張り裂けんほどに激しく痛んだ。
本当はこんなこと言いたくないのに。
本当は愛したいのに。
本当は愛して欲しいのに。。。
どうしてこんな人が私の父親なのか。
どうしてこんな人の子供に生まれてきてしまったのか。
悲しくて悲しくて、わんわん泣いた。
理想とする父親像と比較しては父を裁き、罵倒し、批判した。
あまりにも理想からかけ離れている父を、私は認めることができなかった。
全否定した。
一生許せない、そう思ってた。
でも今は違います。
それはなぜか。
父が理想の父親に変身したわけではありません。
残念ながら、父は相変わらず最低最悪のまま。
その事実は変わりません。
ただ、私の考え方が変わりました。
以前の私は、最低最悪な父を認めることができなかったのですが、
今は、最低最悪だけど、それは仕方ないことだと思えるようになりました。
要は諦めたんです。
父を私の理想どおりに変えるのは無理。
ようやくそのことに気づいたのです。
父を愛しているかと聞かれると、頷く事はできません。
尊敬してもいません。
過去の父の行いを許したわけでもありません。
ただ、事実を事実として認めただけ。
「良い」とか「悪い」とか判断せずに。
それだけで、私の心から、父に対する激しい怒りと憎しみが消えました。
とても穏やかでいい感じです。^^
事実を受け入れずに抵抗するから、苦しみが生まれるんですね。